窯変(ようへん)
窯の中で炎の洗礼により器の表面の模様などが変化するもので、窯のつめ方や炎の酸素の量などにより、いろいろの景色が表れます。
佐渡金銀山中より産出する酸化鉄を含む鉱物を無名異(むみょうい)と言い、それを陶土に用い、高温焼成したものです。
その特徴は、製造工程での生磨きや焼成後の砂研磨という特殊な作業があることです。
又、200目の篩(ふるい)で水簸(すいひ※)した陶土は微粒子のため約3割も収縮します。
そのため製品は非常に硬く、たたくと澄んだ金属音を発し、使用するに従って光沢を増してきます。
無名異は元来、薬効にすぐれており、中風・胃腸病・やけど・止血剤などに効果がありました。
当窯元では、従来の無名異焼の作風の他、佐渡の自然の石や木灰を調合した釉薬や登り窯による窯変美を追求しております。
この無名異焼の器は、お茶・酒・ビール・コーヒーなどの味がおいしくなると注目を集めております。
※水簸(すいひ)
微粒子の粘土を調整する工程で砂や不純物などを取り除く作業。水濾し。
無名異焼の歴史は、文政2年(1819年)に、伊藤甚平が佐渡金山の坑内で産する無名異を用い楽焼を製造したのに始まり、安政4年(1857年)に伊藤富太郎がその無名異で本焼を始めました。
その後、初代・三浦常山は、従来の質のもろい無名異焼を中国の宜興(ぎこう)窯の朱紫泥と同様な堅牢な焼物にしようと努力を重ね、高火度の朱紫泥焼を完成させました。
2003年には、国の重要無形文化財の指定を受けました。
無名異焼は、成型から乾燥まで約30%も収縮します。その結果、非常に固く焼き締まります。
※通常の焼物は、10~15%位の収縮です。
無名異焼は調合する材料によって、表面の色や模様が変化します。
焼きあがるまでどのような仕上がるかが分からず、全く同じものが無いという所も、魅力の1つです。
窯の中で炎の洗礼により器の表面の模様などが変化するもので、窯のつめ方や炎の酸素の量などにより、いろいろの景色が表れます。
椿の木の灰を調合した釉薬で、エメラルドグリーンの色調が神秘的。ひと窯ごとに変化する不安定な釉薬です。
冬の海の代表的な味覚の牡蠣の貝殻を使ってみたら、いい色が出ました。
佐渡の海をイメージした、この釉薬は、地元の岩石やわらの灰などを調合しています。
ナマコ釉薬のつや消しで、落ち着いた風合いを出してみました。
佐渡の地元の土石と木灰を調合したもので素地の鉄分の影響を受け、赤茶色になります。
※上記以外にも、多種の色合いの釉薬があります。是非、お問合せください。