つぶやき

宿命のレール

長かった5週間の旅をやっと終え浜松より新潟に向かう。

季節は変わり多分新潟では薄手のセーターが要るのだろう。
どうも季節の変化に疎い人間になってしまった様だ。数十年もこんな当ての無い旅を続け全国各地を巡り年から年中走り続ける生活のスタイルを決して望んでる訳では無いのだが。

陶芸家である以上は自分の満足出来る作品を作り、残したいと思うし我儘な事ではないと思うのだが然し乍ら陶家に生まれ育った事もあり宿命と言う幸も不幸も背負い込む事になる。
良い時代も悪い時代も駆け抜けて来た。しかし年齢を重ね晩年と云う括りに入るともうそろそろ家業という宿命から解放されたいと感じる。

二十数年の販売と云う旅は経済活動の恩恵や多くの友人にも恵まれたし、地方の知名度が低い無名異焼のアピールも多少は出来たのではないかと満足感も有るのだが、一方でストレスという厄介な得体の知れない魔物に付き纏われ身体も病んで来てるようだが負けるわけにはいかない。

…そんな事を頭の中で考えながら新幹線の車窓から移りゆく季節に身を委ねて過ぎ行く季節と短縮された時間の切ない位の遣る瀬無さが風を斬り裂きながら人生の終点に向かっている。

又明日からも地道に宿命と云うレールの上を尽きるまで走らねばならないのだろうが…。

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